SDGs実現のためのESDとICT
取手聖徳女子中高の校地外北側で進めてきました「ひまわりプロジェクト2019」の活動記録を美術科黒沼先生よりご提供いただきました。取手聖徳女子中高 SDGs学習の一環「ひまわりプロジェクト2019」を紹介します。
「ひまわりプロジェクト2019」の学びが「SDGs実現のためのESD」プログラムの実践であることや、ESD(Education for Sustainable Development)ではICT教育機器の活用がより求められていることなどを紹介いたします。
・ SUN FLOWER GARDEN 2019 動画
・満開のひまわり
・ ひまわりプロジェクト2019 SDGs実現のためのESD の案内看板
掲載写真の立て看板に書かれた学びの目標
【 聖徳大学附属取手聖徳女子中高 SUN FLOWER GARDEN 2019 】
取手聖徳女子中高のキャリア教育、持続可能な社会の担い手の育成、地域との連携を目指す学習プログラムのための試験栽培を行なっています。
地域との関わりの中、取手のこの地に「ひまわりの咲く風景を作りたい」という思い、NPOの協力を得て市民の手による搾油用作物の栽培と収穫物から市内搾油所で絞れる食用油(ひまわり油)の生産という地産地消・バイオサイクルの学びを目指す活動です。生徒による活動も今後予定しています。地域のみなさまのご理解をいただけたら幸いです。
2019.6.27 〜
1 SDGs(持続可能な開発目標)とは?
SDGs(エスディージーズ:Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)とは、
2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。
持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人として取り残さない」ことを誓っています。
( 資料:SDGsのターゲット )
( 参照URL 「2030アジェンダ 国連広報センター )
( 参照URL 「Japan SDGs Action Platform 」)
2 日本の学校教育におけるSDGsのターゲットNo4:「教育に関連する部分」
日本の学校教育の場面では、SDGsのターゲットNo4の「教育に関連する部分」として、日本の具体的施策を次のように定めています。
(日本ユネスコ国内委員会運営小委員会 第2回持続可能な開発目標(SDGs)推進特別分科会
2016年11月24日)
・幼児教育の充実
・初等中等教育の充実
・子どもの貧困対策
・高等教育の充実
・夢をつむぐ子育て支援
・キャリア教育・職業教育の充実
・障がい者の職業訓練
・特別なニーズに対応した教育の推進や男女共同参画を推進する教育・学習の機会の提供
・外国人留学生の受入れ
・ESD(持続可能な開発のための教育)・環境教育の推進
・平和と成長のための学びの戦略
・官民協働プラットフォームを活用した日本型教育の海外展開
( 資料 SDGsと高等教育の役割 )
3 SDGsの学びが「21世紀型スキル」の力を高めていく
SDGsの学びは「21世紀型スキル」(Assessment and Teaching of 21st Century Skills)の習得に繋がる学習とされ、その学びの場面では、「創造力とイノベーション」がキーワードとなり、以下の5つの学習に繋がるとされています。
下記の※ は、「SDGs実現のためのESD」の学びの場面でのICT教育の活用の場面
(1)批判的思考、問題解決、意思決定の学びの学習 → ※ICT活用
(2)メタ認知(認知プロセスに関する知識) 情報リテラシーの学習 → ※ICT活用
(3)情報通信技術に関するリテラシーとコミュニケーションの学習 → ※ICT活用
(4)コラボレーション(チームワーク)から学ぶ人生とキャリア設計の学習
(5)個人と地域と国際社会での市民性=社会における責任(文化に関する認識と対応)の学習
・参照 21世紀型スキル
・SDGsの学びで育成する「情報収集力」「教科学力」「基礎人間力」
・教育コンセプトは、「 6C 」をキーワードにした「 Future-ready skills 」の育成です。
・6Cの考え方 (1)
・6Cの考え方 その2
またノーベル賞受賞の本庶佑さんは、研究を進める上で最も大切なことは、上記の考え方に強い意志を加えた別の解釈での「6つのC」だと言います。
「好奇心を大切に勇気を持って困難な問題に挑戦し、必ずできるという確信をもち全精力を集中させ、諦めずに継続すること」(本庶佑さん)
・6つのC
「好奇心(Curiosity)」
「勇気(Courage)」
「挑戦(Challenge)」
「確信(Confidence)」
「集中(Concentrate)」
「継続(Continuation)」
4 SDGs実現のためのESD
ESDとはEducation for Sustainable Developmentの略で「持続可能な開発のための教育」と訳されています。または「持続発展学習」とも呼ばれます。
今、世界には環境、貧困、人権、平和、開発といった様々な問題があります。
ESDとは、これらの現代社会の課題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組む(think globally, act locally)ことにより、それらの課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出すこと、そしてそれによって持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動です。
つまり、ESDは「持続可能な社会づくりの担い手を育む教育」であり、 SDGs実現のための学びとされています。
・文部科学省 日本ユネスコ国内委員会
持続可能な開発のための教育 ESD = Education for Sustainable Developmenより
ESDの実施には、特に二つの育成観点が必要と言われています。
○ 人格の発達や、自律心、判断力、責任感などの人間性を育むこと。
○ 他人との関係性、社会との関係性、自然環境との関係性を認識し、「関わり」、「つながり」を尊重できる個人を育むこと。
そのため、環境、平和や人権等のESDの対象となる様々な課題への取組をベースにしつつ、環境、経済、社会、文化の各側面から学際的かつ総合的に取り組むことが重要と言われています。
・ ESDを通じたSDGsの達成
文部科学省 日本ユネスコ国内委員会
持続可能な開発のための教育 ESD = Education for Sustainable Development
より
・概念図
概念図では関連する様々な分野を“持続可能な社会の構築”の観点からつなげ、総合的に取り組むことが必要であるとされています。
これからの学校教育の場面では、一人ひとりが「地球的視野で考え、様々な課題を自らの問題として捉え(=自分ごととして捉え)、身近なところから取り組み(Think globally, Act locally)、 持続可能な社会づくりの担い手となる」ように「意識と行動を変革する学び」が重要であることから、新学習指導要領における各教科学習でも「SDGs実現のためのESD」を踏まえた学びのスタイルへの変革が求められているのです。
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