Society5.0に向けた5Gがやってきます

超高速かつ大容量の通信を実現する次世代通信技術「5G」(第5世代移動通信システム)。

IoTの普及や自動運転、遠隔診療の実用化などに必要不可欠な技術としても期待されています。

NTTドコモの5Gプレサービス第1弾はラグビーワールドカップ 日本VSロシア戦の模様のパブリックビューイング「もっとわかると、もっと熱い。0 distance 5G LIVE SPORTS」でスタートしました。


今回行われたライブ伝送は、大スクリーンへの投影のほか、LGエレクトロニクス製の5G対応2画面端末を用いて行われ、スマートフォンのメインディスプレイには選択したアングルの映像が全画面表示でストリーミングされ、サブディスプレイでアングルを自由に選べました。



 参照 →  ドコモの5Gプレサービスで「ラグビーW杯」パブリックビューイング





1. 【ローカル5Gの今後の進展】


工場や建設現場、商業施設、学校のキャンパス等、比較的小規模な範囲のために5Gの通信環境を構築し、運用することを「ローカル5G」と呼び、実用化に向けて、地域の課題解決のために独自の5Gネットワークを活用する「ローカル5G」が進展しています。

携帯電話は概ね10年ごとに世代交代しています。


現在、多くの人は4Gネットワークを活用し、コンピュータと同じくらいの性能を持つスマートフォンを使っています。


これまでも世代が変わるごとに通信速度の向上が図られ、最大通信速度は、30年間で約10万倍にも進化しました。第4世代の携帯電話やモバイル系サービスは合算すると約1億7000万件以上の加入状況となっているそうです。


Society5.0に向けた5G(第5世代移動通信)の大きな特徴は「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」の3つです。





2. 【 5Gで学校の授業はこれからどう変わる?】



 5Gが教育現場に導入されると、現在よりもさらに高精細な映像を活用する学習ができ、例えば、日本では見られない野生動物の生態を観察したり、外国の美術館に所蔵されている美術品の細かい細工を確かめたりすることができるかもしれません。



 また、授業に動画を活用すると、現在は教室という大人数が集まる場所でのダウンロードやストリーミングは通信にストレスがありますが、5Gでは授業中のダウンロードの待ち時間が少なくなり、ストリーミングが切れることもなくなります。AUによる小金井市内の小学校での実証実験ではWi-Fiではダウンロードに平均101秒かかった動画が、5Gでは平均17秒でダウンロード完了。5Gを活用することで、既存のモバイル通信では実現が困難だった大きな容量のコンテンツが短時間で送受信可能になることが実証できたそうです。


 

 生徒からは、「通信が進化してまるで実際に体験しているかのようにコンテンツを感じられるようになったら、人々がでかけなくなって運動不足になるのではないか」「障がいがあるなどして、これまで身体的に体験に制限があった人でも、いろいろな場所を気軽に体験できるようになるのではないか」などさまざまな感想が上がったそうです。



 また情報共有システムを用いた感想の発表や意見交換もより意見の表明や表現をしやすくなることにつながっていくことでしょう。



 AUの実証実験では、5Gの基地局アンテナを設置した体育館での実証実験でしたが、今後の5Gの進行にあわせて、IT業界「5G通信モジュール搭載の無線ブロードバンドルータ」のリースや発売も開始されました。



 間も無く運用が開始される5G通信に向け、生徒のデバイスの規格もますます進化していくものと考えられ、さらに5G時代にWi-Fiの接続性の強化に向けたアクセスポイントとなる校内Wi-Fiルーターの設備更新も必要になってくると考えます。






(5G通信モジュール搭載の無線ブロードバンドルータの特長)

●5G通信モジュールSIM8200EA-M2内蔵、Sub-6GHzおよびLTE Cat.22対応

●WWAN側ダウンリンク最大4Gbps、アップリンク最大300Mbps

●IEEE802.11ac無線LAN対応、最大スループット2600Mbps

●1000Mbpsイーサネット

●RJ11対応






3. 【5Gの特徴】




【超高速】



「超高速」は、従来までの世代でも開発が進んできましたが、これまでとは特に違うのが「超低遅延」と「多数同時接続」です。ネットワークでやり取りする時に発生する時間差を極限まで小さくし、高精細な映像を素早く送ったり、様々な端末が通信機能を持ち、多数かつ一度に接続したりすることが可能になります。新しい2つの通信技術が加わることで、これまでの携帯電話の発展とは異なり、新しいビジネスへの期待が高まっています。



5Gへの期待の大きさは、海外での実用化時期の計画が前倒しになっているところにも表れています。米国や韓国はスマートフォンを使ったモバイルサービスを2019年4月から開始しています。EUでは2020年に全加盟国でサービス展開を開始することを目指しています。各国ができるだけ早くという意識を持って取り組んでいるのが現状です。



日本では2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会までに5Gを商用化することを目指して取り組みが進んでいます。




5Gによって超高速化や大容量通信が実現することで、これまでよりも大量の映像データを配信することができ、例えばスポーツ観戦では、スタジアムに設置した多数のカメラの映像を手元のスマートフォンで受信し、自分の好きなアングルで観戦できるようになったり、ネットワークへの負荷がかかるため、5G技術によって初めて実現できるものと言えます。




  イメージムービー  Connect future ~5Gでつながる世界~(技術解説)総務省

 



【超低遅延】【多数同時接続】


また、5Gの特徴である「超低遅延」も、多くの人の暮らしを大きく変えることが期待されています。


例えば医療現場では、都市部まで行かなくても、近くの診療所で専門医のアドバイスをもらえる遠隔診断や、超低遅延通信による高精細映像を用いた遠隔手術などの実現が期待されています。


農業でICTを活用する「スマート農業」も期待されます。センサーを張りめぐらせたり、ドローンを飛ばして、作物の生育状況をチェックしたり、作業管理を自動化することにより、高齢者が農業を続けることなどが期待されます。


建設分野では、ドローンを活用した高精度な測量や建機の遠隔・自動操縦などで、建設現場の仕事のやり方を変えることが期待されます。さらに、災害時の被災状況の把握や救命活動などに必要な情報を、より細かく正確でかつ迅速に得ることができると期待されています。映像に加えて音声も遅延なく一挙に送れることが5Gの強みでもあります。


地方では路線バスなどの交通手段がどんどん減少している現状があります。


決まった路線、決まったレーンである程度行先が決まっているような、高齢者の移動手段を確保する上でも5Gが役に立ちます。自動運転そのものはカメラやセンサーの技術で実現可能ですが、緊急時に中央管理センターで対応したり、通信やセンサーなどの技術と組み合わせて周辺情報をリアルタイムで車内に送ることも5Gで実現できます。


ショッピングセンターでは、多数接続や低消費電力などに対応したセンサーにより、無人店舗において簡単に決済できるなど、買い物がより便利になるでしょう。


(出典)総務省 令和元年度5G総合実証試験の開始

→ http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban14_02000392.html



     SoftBank 5G x IoT YouTube





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