MDM mobile devise managementについて




本校のICT教育推進におけるMDMの機能の活用について




本校ではモバイルデバイス管理(MDM)としてMobiConnectのMDM (mobile devise management)を活用しています。



このMDMの機能を最も活用しているのは、タブレット端末を学習で利用するための設定(校内のWi-Fiに接続するための設定など)やアプリを配信する機能です。



この機能は、導入前のキッティングを効率化するためにも活用されますが、生徒にタブレット端末を配った後に、設定の変更が必要となった場合やアプリのインストールやアップデートを行うといった場合に、最も価値を感じられる機能だと考えています。







iOS12搭載するiOSデバイのiPadはモバイルデバイス管理(MDM)をサポートするフレームワークが組み込まれています。


MDMでは、生徒所有のiPadを安全にワイヤレスで構成でき、iPadのiOSのアップデート、組織ポリシーへの準拠の監視、iPadデバイスのリモートワイプやリモートロックなどを行なっています。生徒が所有するiPadデバイスは、Apple School Managerを使って自動的にMDMに登録しています。


デバイスが登録されると、Apple School Managerで購入したApp(アプリ)やブックをワイヤレスで配布、管理、構成でき、App(アプリ)のインストールは、App(アプリ)のタイプ、App(アプリ)の割り当て方法を自動で行うこともできます。


アプリを例にすると、ほとんどの教育機関ではタブレット端末の導入段階で、ロイロノートやMetaMoji、テックキャンバス、schoolTaktなどの授業支援アプリの活用が検討されていると思いますが、それ以外のアプリまでは検討し尽くすことが難しく、端末の導入後にあのアプリも使いたい、このアプリも使いたいといった要望がでてくることが日常的にあります。



例えば、英語4技能(聞く、話す、読む、書く)を伸ばすことにタブレット端末を活用したいと考えた場合、リスニングに最適な機能を持ったアプリ、スピーキングの向上に最適な機能を持ったアプリなど、目的別にアプリを使い分けることがベストな場合があります。


こういった単機能であっても何かに特化したアプリは、教科によっても、先生ひとりひとりが考える授業設計によっても、利用したいアプリが異なる場合が多いため、端末導入前の計画段階で全てを洗い出すのが難しいのは当然だと思います。


世の中には学習に活用できるアプリがたくさんあり進化もしていきます。そのような状況下で新しいアプリを使おうとするたびに、タブレット端末を回収してセットアップを行ったり、生徒自身にアプリをインストールさせる時間として授業の冒頭5〜10分を当てるというのでは時間がもったいないと考えます。


こういったシーンでMDM(本校ではMobiConnect)を使えば、タブレット端末に手を触れることなくアプリの配信が可能です。生徒は意識をすることなく、気づいたら自分のタブレットに学習に使うためのアプリがインストールされているといった具合に、学習環境を整えることができるので、設定やアプリの配信といった機能が広く活用されているのだと考えています。



実際に「明日の授業で○○のアプリを使って○○したいといった場面ではMDM(MobiConnect)があったから手間なく実現できた」という声が多くあり、教育の情報化という新たな取り組みの中で、先生方のチャレンジにスピード感を加えるツールとしてMDM(MobiConnect)が貢献できていると実感することができています。








「管理 ≠ 制限」学びにつなげる見守り



一方、MDMには、タブレット端末を盗難・紛失してしまった時の情報漏えい対策機能や、タブレット端末の一部機能を制限するといったセキュリティ機能もあります。


教育現場でのMDM導入動機としてはセキュリティ対策が第一に挙げられるため、制限をする=自由を奪うものと解釈し、MDMに対して拒否感を持っている人も一定数いるように感じています。実際の運用では「生徒たちにはタブレット端末を自由に使わせたい」という声も先生方から寄せられますがよく聞きます。逆に、他校では不安だからという理由で、ガチガチに制限してしまうケースも見られます。これではタブレット端末を導入しても、やり方がアナログからデジタルに変わっただけで、21世紀型スキルの育成などの本来の目的から大きく外れたものに終わってしまう可能性があります。



では、上手な管理や情報セキュリティ対策の重視とはどういうものなのでしょうか。また21世紀型スキルの育成などを図るICT教育の場面でのMDMの活用の目的とはどのように捉えれば良いのでしょうか。



観点として大きく分類すると、以下の3点が挙げられるのではないかと考えています。

1 明らかに学習に不適切な利用を制限する

2 情報モラルや情報リテラシーの理解度や習熟度に応じて段階的に対策する

3 生徒のタブレット活用状況を見守る

4 明らかに学習に不適切な利用を制限する


例えば、生徒がタブレット端末を使ってのぞましくないサイトを見ていたらどうでしょうか。生徒に自由な環境を与えたい場合でも、教育上不適切な情報に容易にアクセスができる環境が好ましいとは言えません。生徒を事故・事件から守るための視点から考えても対策は必須と言えるかと思います。この対策としては、MobiConnectのオプションで利用可能な「i-FILTERブラウザー」が活用されています。カテゴリー指定でWebフィルタリングが可能なので設定も容易です。




情報モラルや情報リテラシーの理解度や習熟度に応じて段階的に対策


ICT機器に慣れ親しんだ現代の生徒の皆さんは、タブレット端末を使うこと自体はすぐに適応しますが、タブレット端末の利用方法一つ一つの良し悪しを判断するリテラシーの力の育成も重要視しなければいけません。本校で生活する6年間・3年間で情報モラルや情報リテラシーの理解や習熟とともに、今後は段階的に自由度を高めていくのも選択肢の一つだと考えています。





児童・生徒のタブレット活用状況を見守る



MDMには、端末にどんなアプリが入っているのか、不正改造は行われていないかなど、タブレット端末がどのように利用されているのかを把握する機能もあります。この機能をうまく活用することで、決められたルールの中で生徒が自ら考え行動できる環境、失敗ができない環境ではなく、失敗をしても学びにつなげられる環境を実現することができます。


私たちはiPad導入時に定めたSEITOKUリテラシーにそってMDMでは生徒が自由にアプリをインストールできないように制限することとしていますが、将来的には制限はかけずに生徒がルールを守って使うことを重要視し、ルール違反があったら指導につなげるといった使い方を検討しています。MobiConnectであれば、ルール違反を自動で検知して先生にメールでお知らせする機能もあるので手間もかかりません。




タブレット端末もMDMも使い方次第


MDMも、使い方ひとつでその価値は大きく変わってきます。MDMによる「管理」を、「制限する」ではなく「見守る」「明らかに対策が必要なところをケアする」という感覚で考えることで、とるべき対処が明確になり、MDMを利用する価値は何倍にも膨らみます。

本校でiPadの導入時に決定したMDMの機能は、安定した効率の良いICT機器の日々に活用にはなくてはならないものになっています。





ICT教育 聖徳大学附属女子中学校高等学校

聖徳大学附属女子中学校高等学校 information and communication technology education